介護が必要な高齢者の日常生活を全般的にサポートするのが、特別養護老人ホームです。原則として要介護3以上の高齢者が入居する一方、医療ケアが常時必要な人の入居が断られることもあります。施設では入浴や排せつケア、食事などを提供するほか、看取りにも対応しているため終身利用の入居者が多いのが特徴です。そんな特養で働く看護師は、入居者の健康管理全般を担います。定期的なバイタルチェックはもちろん、重大疾患の予兆ともいえるキラーシンプトムを見極めて医療機関の受診を促すなど、早い段階で必要な対策を講じることが主な業務です。寝たきりの入居者に対しては、体位交換しながら褥瘡の防止に努めることも看護師の仕事の一つとなるでしょう。医療ケアが必要になった要介護者を、医療機関へ引き渡す際の橋渡し役も大切な業務です。特養で働く看護師が医療行為を行うことは少ないですが、医師の指示による胃ろうケアや褥瘡ケア、投薬管理などを行うことがあります。勤務は基本的に夜勤がなくほとんどが日勤なうえ、業務量も外来や病棟より少ないでしょう。とはいえ、万が一夜間に看護師による対応が必要になった場合に備え、オンコール体制を整えている施設が多いです。救急車の要請指示を夜勤担当者へ出したり、場合によっては医師から指示を受けた方法で医療ケアを行ったりします。そのため、特養の看護師として転職を検討するなら、オンコールについて事前に確認すると良いでしょう。