特養と呼ばれる特別養護老人ホームは、終の棲家になる場所です。公的施設で有料老人ホームと比べて費用がリーズナブルなため、人気があります。医師が常勤する施設は稀ですが介護職員が24時間常駐しており、看護師も勤務しているのが特徴です。入居状況は地域により状況は異なりますが、待機者は全国で約27.5万人いると言われています。しかし、2019年には待機者数は32.6万人だったことを考えると、減少傾向にあると言えるでしょう。特養での1日のスケジュールは、食事をしたり、散歩や趣味の活動をしたりとゆったり過ごすイメージです。特養で働く職員の仕事内容は、食事や入浴、排泄などリハビリよりも生活面の介助がメインとなります。また、生活スタイルについては各施設で違うのもポイントです。1つの部屋に複数のベッドを入れた相部屋スタイルの多床室タイプ、10人以下でユニットを作り共有スペースとしてダイニングキッチンやバス、トイレを設置して共同生活を送るユニットタイプなどがあります。特養は看取りも行っており、終末期まで入居することが可能です。高齢者介護施設に入居する際、入居者や家族の抱く不安の1つが施設が対応できなくなったときに退居を迫られることでしょう。家族が介護できない場合、ターミナルケアを行ってくれる施設を探さなければなりません。その点、特養は看取りまで行うため入居者にとっても、家族にとっても安心できる環境なのです。